俵屋宗達風神雷神図屏風現代アートの話を見終わったあたりで寝てしまい、
起きてからPS2で、友達から借りて2年くらい経った「ジョンQ」を観ました。

ジョンQ-最後の決断- [DVD]ジョンQ-最後の決断- [DVD]
  心臓病を患う息子を持つジョンは、助かる道は心臓移植しかないと、担当医から告げられる。
  しかし、彼には移植リストに息子の名前を載せるお金がない。家財を売って工面したが、
  全く足りず、病院側はそんな彼をつっぱねる。
  ジョンは病院に立てこもり、医師らを人質に、息子を助けてくれ…と要求を出した。
  (amazon紹介文より抜粋)

主演はデンゼル・ワシントンで、
作品のテーマはアメリカ社会の病巣である「保険制度」という、ものすごく重厚なつくりの映画、
なんですが…
むむむ…
普通に面白く、無かったです…
 
役者の演技はすごくうまいのですが、
人質になってるという逼迫したシーンなのに微妙なジョークで爆笑しあったり、
立てこもり事件なのに警察の現場封鎖がずさんだったり、
展開が何かにつけてご都合主義過ぎなのでまったくリアリティが感じられませんでした。
主人公は息子のために銃を取ったくせに、
なぜか警察側の銃は暴力的に、否定的に映していて、
銃社会ではない日本からすればどっちも犯罪でしかないので、その演出に疑問が残ります。
オタク的には
「撃っていいのは、撃たれる覚悟のある奴だけだ!」と言った黒い仮面、
「誰だって家族がやられたら引き金を引く」(うろ覚え)と言ったテロ牧師の言葉が反芻されました。
ネタバレですが、
最後の裁判の時に「有罪になって残念…」みたいな発言があってひどく興ざめしました。
(それ以前からさめてたけど)
テロリストが何を言う。
 
銃で解決しようとして、
結局ご都合主義で大団円?となった「ジョンQ」に比べると
同じくアメリカの保険問題を扱ったマイケル・ムーアの「シッコ」の完成度が非常に高いと感じました。
シッコは「銃」ではなく言葉や体験、感情といった「人間」そのものを武器にして保険問題に立ち向かったので
取って付けたような感動そっちのけで、より深く問題をえぐれているので非常におもしろかったです。
2年以上前にDVDを貸してくれた友達は「ジョンQ」を超プッシュしていたのだけれど…
オススメの作品に友達と違う感想を持ったときって、言わぬが花なのか悩みますよね…
嘘つきたくないんだよなぁ〜
でも、やっぱり言わぬが花なんでしょう…