「カラフル」を観た感想をば。
 
個人的にはなんか普通で、
声優は主人公とプラプラが最後までなじまず、
アニメとしてもなんか特に新しい表現を感じることもなく。
これは中高生の時に原作を読んでいれば、
もっともっと感じ入るものがあったんだろうなぁ。
 
子供の成長物語なのに、
大人の世界観の不和が影響してカタルシスに達しなかった感じ。

子どもが自分の存在をポジティブなものとして
世界につながりのあるひとつの存在として気づき認めるのは素晴らしけれど、
その他家族が主人公を起点として考え方を切り替える
という描写にいまいち納得がいけない。
 
不倫をしていた母親、
それに気づいていたのか家族に関心のない父親と兄、
主人公の変化をもってそれらがひとつになるんだけれど、
彼らのその過去に対する反省や解決がみれていないので
あの家族にはいずれほころびが出ると思えてしまう。
 
見えている主人公視点は結果カラフルになるけど、
(世界が季節によって色を増やしていくのはすごく良かった)
母親は不倫問題を解決したのか、
父親はただ空気を読んで家に変えるようになっただけなのではないのか、
兄は結局自分視点でしか物事を捉えられていないのではないか。
南明奈の援交は、べつにあれはあれで救いがあろうがなかろうがどっちでもいいけど。
トウキョウソナタ」と同じで綺麗なラストがなぜか妙にしっくりこない。
一視点的な家族の調和の成立が、僕は不安なんですね。
乗り越えたというより、どちらかというと過去から目を逸らしているだけな感じの。
父親が不倫に対して母親に怒ってビンタぐらいして、
それでも翌日二人で笑顔で主人公に向き合う。
兄貴は受験の目的がただの自己満足でしかなかったことに気づいて、
髪を切って浪人しつつもバイトも始める、
くらいのケジメが欲しかったなぁ。
 
そんな感じ。