同中旅行第3弾、西日本編(2日目)

アイポッドを接続したカーステを流しながら国道17号線を北上しているあたりでたぶん、日付が変わったと思います。
 
・午前1時
料金が怖い怖いと言いながら、
永遠に一般道を走り続け、気が付けば軽井沢。
一緒に旅行している友人Bが仕事をした、某芸能人の別荘を通り過ぎたあたりのローソンで初の休憩。
ここまで運転してきた仕事帰りの友人Bに代わり、
よくよく考えると今日は3時間くらいしか寝ていない僕がハンドルを握ることとなり、
長野県の、
え〜と、
どっかのインターまでまたひたすらカーナビが示す一般道をひた走る事となりました。
 
・不明
軽井沢までの山道にやたらいらっしゃった大型トラックさん達の姿もぱったり見ることがなくなり、
街灯はなく、道も細いものの悠々自適にレンタカを走らせ、
名前も忘れてしまった高速道路の入り口に到着しました。
実は僕、
この旅行のためにETCカードなるものを作りまして、
レンタカにデフォで搭載されているカードソケットにそやつを挿入して高速のゲートをくぐったのです。
ETCを利用すると、
なんだかよくわからないけど結構な割引が発生するので、
貧乏旅行には必要不可欠と踏んだ僕と友人Bは、有無を言わずに導入したのです。
「ピ、」というまったく頼りない音を聞き、
ゲートがこれまた不安極まりないタイミングで開き高速に乗ったのですが、
どういう設定をしたのかカーナビはすぐ近くの出口を示し、
結局すぐに高速を降りて、一般道で伊勢へ向かう事になりました。
きっと
「お金を使わないで行こう!」
という作戦を実行した後部座席で横になっている友人Bが設定したルートが
高速おりぃの一般道で山道いけぇのになっていたのだと思います。
 
・午前5時くらい
木曽義仲」なんたらの看板がちらほら出てくるまで延々と山道を走り続けている僕。
友人Bが寝入ってからというもの、ある程度"話"のわかる友人Cには遠慮せず、
アニソンやI'veをだらだら流してテンションをキープしつつ長野県なんだか岐阜県なんだか
ようわからん谷を走っていると「寝覚ノ床」という看板が一瞬目に留まりました。
その時は休憩をとった後だったので3人とも起きていて、
「そろそろどこかに寄っておかないと気持ちが持たない…」的な状態だったので
(たぶんそんな事はない。僕が寄りたかっただけ。)
「寝覚ノ床」が何に由来する場所なのかを知らない友人2人に「浦島が云々」とそれっぽい事を並べ車を止めて
とりあえず河原のほうへ…

途中にあった、始発もまだ走っていない(であろう)線路が少し幻想的で気持ちがよく、
朝もやのかかる青味がかった山々が、
自然の荘厳さと不可侵さとを、夏なのにひんやりとした空気に持たせているような感じがして
徹夜運転の旅行初日にかかわらず、早くも「旅してよかったなぁ」と思わせてくれました。


 
・…とりあえず朝!
名古屋あたりまで高速に乗り
(どこからだかは忘れました)
そしてどこかで降り
(これも忘れた)
順調に距離を重ねてきた僕のドライブも、
ついに「渋滞」という二字に行く手を阻まれる事となりました。
ぶちゃけどこで渋滞にはまったのか憶えていないのですが、
四日市の国道2号線の渋滞には辟易したのを記憶しています。
つーかマジで四日市喘息も起こるよこん街は!
もちろん規制されているけれど排気!
コンビナートがでかいし、なにより自動車の排気がウザイ!
都会!キライ!
 
・10時くらいかな
国道沿いで見つけたオートバックスで買い物。
シガーソケットから家庭用コンセントの電源を取れるアダプタを購入。
同時に運転を友人Bに交代して意外と広大な田畑が続く鈴鹿を通過。
暇なので流れる車窓から、
千石先生に良く似た女性を観察しては
一方的に哀れんだりした。(失礼)
 
・12時30分
伊勢神宮、外宮、豊受大神宮に到着。
「お伊勢さんに行きたい行きたい!」とぴーぴーわめいてた僕とは違い、
デザイン関係に造詣がある友人Bは、伊勢神宮に関して予備知識を用意してきたようで
内宮と外宮における建築方法の違いをちょこっとだけ特集してあった
「カーサ ブルータス」を持参して境内に参る事になりました。
意外と、といっては失礼か、
外宮といえども流石お伊勢さん、参拝客がたくさんいて、とても驚きました。


一本一本が歴史を感じさせる太さを持つ杉が堂々とそびえる姿を見ると、
鎮守の森の意味、
人々が山に信仰を持った感情や
信仰の対象として僕の想像を容易に超えるほど長くそこに存在し続けているものの
悠久の雄大さを少し知れたような気がしました。
自分のちっぽけさと、流れていくものの大きさを感じると
この場に自分が立っていることに対して疑問を持ってしまったりなんかしちゃったりなんかして…
 
・13時30分
カーナビの目的地を、
伊勢神宮内宮の目の前にある「赤福本店」にセットして車を走らせること数分…
死ぬほど行きたかった(嘘)赤福本店に到着したものの、
なんとそこは、ほとんど歩行者天国といっても過言ではない商店街で、
事前知識まったくなしの僕達は人々の波をかき分け、
「ナンでこいつら車で入ってきてんだ??」
という視線を浴びつつ通過しなければいけないという
失態を演じてしまいました…
旅の恥は掻き捨て。
以前、車で中華街を縦断した時を彷彿とさせます…
旅の恥は掻き捨て。
ええそうですとも。
やじきたの時代から変わらぬものもあるのです。
 

清流五十鈴川で水遊びをしている幼女子ども達を横目に宇治橋を渡れば
そこは伊勢の内宮、皇大神宮
空気も変わり、まさに鳥居がつくるは結界か…
ってそんなに変わんないじゃん!
てか参拝客多すぎ!
 

伊勢神宮式年遷宮を20年に一度、持統から今上まで絶えることなく1300年間続けてきているそうで
最近の遷宮は平成5年にあり、建物自体はその時作り変えられたものになります。
(参考:http://www.isejingu.or.jp/shikinensengu/shikinen-index.html
なので木材の肌も肌色で新し目の印象を強く受けるのですが、
境内の杉の木は、大人でも抱えきれないほど太いものが当然のように
「"当時"からここにいるのだ」
と主張するように生えていて
それはバチカンサン・ピエトロ大聖堂で感じた、
荘厳な人工美に対する畏敬の念とはまた違った
もっと大きな流れ、自然の雄大さに対する畏敬、というかなんというか、
簡単に言えば外宮と同じような感情を抱きました。

そこらへん、西洋と東洋の宗教観の違いとして
もっと掘り下げられるんじゃないかな〜
って思っていたのだけれど、
正直30時間ほど起きつづけて、長野愛知間を運転した僕には体力の限界が訪れており
「ええじゃないかええじゃないか」と踊りたかった足元も今やおぼつかない状況で
天照大神さんにおまいりした直後の休憩所では
15分間そんな思いもそっちのけで爆睡させて頂きました。
 
・15時
伊勢、といえば一般的には「お伊勢さん」ですが、
オタク的には「半月」、「半分の月がのぼる空」を忘れてはいけないでしょう。きっと。
ドラマは餃子の街が舞台になっていましたが、
確か、「半月」は伊勢だったはずです。
でも、
完璧に、
舞台がどこだとか覚えていないけれどねっ!
商店街にある古本屋で、桁の違う「チボー家の人々」を探したり、
ってそんな事をするかボケがぁ!
 
どこで憶えたのか思い出せないのですが、
(半月だと思うんだけれど)
赤福本店に行ったら『赤福氷』を食べろ!」
的なフレーズが頭に残っていたので
回復したともいえない体調のまま赤福本店に突入してみました。

写真で良く見た、
憧れの赤福本店!!
「絶対に買いたい地方のお土産トップ3」に六花亭のマルセイ・バターサンドと並んでランクインする銘菓「赤福」!!
ぐえぇええへえへへへへへ!!!!!!!!!!
赤福wwwwwwwwwwwwwwwwwwww
赤福マイラブwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

ちょwwwwwwwwww
激混みwwwwwwwwwwwwwww

待望の赤福氷登場ッ!!!
まさかの抹茶がかかっていて、願ったり叶ったり!
「幼女にネコミミ」と昔の人はよく言ったものだ!
 
ふんわりした氷の食感としつこくない抹茶の味がマッチして
なんとも日本の夏じゃなぁ…
というところで急に
なんと赤福がっ!
埋もれていたではないですか!
こおりに!
サプライズ!
サプライズですよ伊勢の夏!

うまい!!
ほんと伊勢まで来てよかった!
おれ、しあわせだよ!!!!
 
(あまりに赤福氷が美味しかったため、その後食べた「伊勢うどん」のひどい味は思い出せません。)
(あ、いえ、伊勢うどんなんで食べていません。そんな思い出は消えました。)
 
五十鈴川に下りたいといった友人B・Cにはどうぞどうぞと行ってもらい、
徹夜がたたって朦朧としていた僕は駐車場で仮眠をとっていました。
環境に悪いけれどクーラーのためにアイドリングをし続けた車で目を覚ますとちょうど、
先ほどまでテンションの高かった友人Bがやたらうつむき加減で車に戻ってきたところでした。
「どしたの?」
カリ城のルパンばりのフランクさで話しかけてみると
「……ころんだ…」
と水を滴らせながら友人Bは吐き捨てました。
 
もしかすると、
友人Bの下半身を濡らしていたのは五十鈴川の水ではなく
彼の涙だったのかもしれません…
 
 
 
 
 
え?
( ゚д゚ )?
(その後、友人Bは「全身の疲れが取れた!」とかヌかしていました。)
(きっと五十鈴川が穢れをはらってくれたのだと思います。)
 
・17時くらい
第一目標のお伊勢さんに到達した今、
まずすべきは夕飯の心配ではなく、
次の目的地の選定でありました。
 
高野山がいい!」
お伊勢さんという宗教中心地の観光が実に良かったことと
紀伊山地世界遺産に指定されている事もあいまってか、
僕のこの提案に反対する友人2名は一人もいませんでした。
日本語でおk
本当の本当は、
最後の翼人「神奈備命」が散った山が「真言の霊山、金剛」だから、
超行きてぇぇっぇぇぇええ、って思っていたんだろ?
なんてことはありません。
事実無根です。
 
夜になると「とりあえず温泉に入ろう!」という作戦が発令されるので
今回もその例に洩れることなくカーナビによって選ばれた最寄の温泉を目指す事となり、
ズボンを履き替えた友人Bが車を走らせました。
その後はその後、
れっといっとびぃ、けせらせらで。
 
しばらくしてカーナビが
「目的地付近です」
と、機械的で、まったくタチコマ的でない声を発した場所で車を降りてみると
やっているのか潰れているのかわからない建物が一つ…
これは……
やっていても入りたくない……
誰もがそう思い、温泉を諦めた直後、
突き当たりだったコンクリ塀の向こう側が気になり、
僕は走り出しました。
 
何というか、
予感がしたのです。
広がっている、
海が、広がっている予感が
 
 



 あのうみ〜
   どこまでも〜
     あおかった〜
 
ぐあああああああ!!!!!!
このパノラマっ!
琴線直撃っっっっ!
 
AIRは真逆の和歌山県だけれど、
夕日を受けて広がる海!果てしなく広がる空!
ゴ、ゴール、ゴールは?
俺のゴールはどこですか!!??
 
潮騒を聞いているだけで胸が一杯になるような、
なんていい作品なんだAIRって!
自分が感じる実存の夏に虚構のAIRが進出しているなんて、
外部記憶装置として意味を成しているというべきか、
ちくしょう、
本当にオタクでよかったと思ってしまう瞬間だ!
 
・18時50分
日の入り

 
・21時50分
スーパー銭湯に行った後に夕食。
友人Bが食べたいと言い出した松坂牛、のハンバーグ

じゅうじゅういっていたし、高かった。
やんわらかかった。
 
・その後…
この日、前日から徹夜運転していた僕は就寝(後部座席)
友人Bが徹夜で高野山までの道のりを走ったらしい。
すごい山道だったそうである。
起きないのがおかしいくらいの山道だったらしい。
 
 
 
 
つづく…